コーチングとの出会い

コーチング、というものに出会ったのは2012年の2月。
2回目の出産をし、育休生活を送っていた私は、32歳を前に子供を育てるという幸せと同時に
漠然とした焦燥感を感じていた。

就職活動の先で出会った会社、
仕事の内容よりも共に働く仲間に魅力を感じて過ごした20代、
価値観が合い、共に暮らして穏やかな気持ちになれるパートナーとの出会いと結婚。
2つ違いの子供の誕生。

悪くない。きっといいほうなのだと思う。
…でも、なんか、これだけなのかな、という不安。焦り。さみしさ。

コーチングに出会ったのはいわゆる「ママ向けワンコイン講座」に参加した際に、ママコーチという講座があり、
そこで「無意識を意識する」という話を聞いたこと。自分を主体的に感じつつも、客観的にとらえるという経験が初めてで
面白いと思った。一方で、講師 対 ママたち、という上から目線の講座に強い違和感を持ち、自分自身でコーチングを
体系的に学びたいとCTIに申し込んだ。2012年の2月からのスタート。

当時は、パートナーも仕事に忙しく、話を聞いてもらう、興味を持ってもらう、という実感は皆無だった。
だから、より、コーチングで「深く、正面から」聞いてもらうという行為にパワーを感じた。
応用コース、上級コースは2013年11月に資格を取るまで一気に進んだ。

コーチングの学び

コーチングを学び始め、コースの中でもクライアント体験を繰り返していたころ。
私はコーチングというもの、深くじっくり聞かれる、ということのエネルギーを強く感じていた。
今この瞬間を切り取るのがコーチングだけれど、聞かれる私は何年も前、もしかしたら何世代も前からの話をしている実感があり、
魂を触ってもらうような、奇妙な温かさを覚えていた。

コーチングを受ける側として、自分が深く聞いてもらうことで本当の願い、本当の悲しみに気づき、我慢しているアクションを次々と超えたとき、
こういう人生そのもののサポートを私もコーチとしてやりたい、と直感で感じた。

それが上級コースで資格を取る、という選択をした背景。
コーチになって沢山のクライアントと出会い、「人生」の話を聞きたい。
我慢していることがあるなら、「大丈夫!できる!」と応援したい。

その人にしかない思い、その人ならではの志、にもっと光を当てて、
「あなたは特別な存在だよ」
と言ってあげたい。それがその人のエネルギーになるなら。

コーチとして何を目指すか。
それは「今自分はここで生きていていいんだ」という心の安堵を一緒に生み出すこと。

生まれる、ということは奇跡。
その奇跡を「遠慮」「不安」「自信のなさ」で無駄にしてほしくない。
そんなことする必要ないのだから。

プロコーチとしての舵取り

コーチ資格を取ったのは2013年だが、その後2014年の1年間は夫婦関係が悪くなり、
人生の底にいた。
誰かのコーチングなんてできないくらいの底。
いつも「ああ、生きていても仕方がない、愛されない人生は本当に命の無駄遣い」
と思っていた。今思い返しても暗く悲しい1年間。前にも後ろにも進めなかった。
人を憎み、恨み、信じることができない。自分の中にある負のエネルギーを最大限使い切った時間。

でも、そんな中にいても私は「私の願いに即して生きていく人生」をどうしてもあきらめられなかった。
それは「共に生きる約束をしたパートナーと愛情をもって二人で歩んでいくこと」
愛情をもってお互いを見ていきたい。死ぬときに一緒にいたい。

子供のころから、命をつなぐ、数千・数万という流れの中で生まれた自分が、また次の世代をつなげる、という
「命のバトン」をイメージすることがあったのだが、その命のバトンを一緒につなぎたい、と。

2015年の1月に再びじっくり話し合う機会があり、まさにここで私たちは「生きなおし」をした。
一つの時間が終わり、新しい扉が開いた瞬間だった。

2015年の1年間は、パートナーの単身赴任が始まり、小学校・保育園・自分の仕事・家事という4足の中で
心身ともにバランスを崩した。それでもパートナーと心からつながっている、自分の心に即して生きている、という
その思いが、色んなシーンで自分の救いになった。

コーチングにあの時出会っていなければ。
自分の心に救った深い悲しみやさみしさを言葉にすることもできず、衝動的に壊すことだけを選んだかもしれない。
聞き出して言葉にしてくれたコーチがいたから、私がその場にコミットしたから、一つの壁を乗り越えることができたんだ。
コーチングに対する理解が実体験を通して深まった時間でもあった。

赤ちゃん

単身赴任も1年近くたったころ、私は3人目の子供を妊娠した。
子供は沢山来てくれるほうがいい。沢山の命にかかわって生きていきたい。
そう思っていた私は「うれしい」と素直に思った。

ただ一方で、「とはいっても大変だなー。3人か。2人でもぎーぎー言ってるのにな」と
ふと感じていた。仕事もシーズナルなものが動いており、「今妊娠したというと迷惑がられるかな」と
心の中では思っていた。

ほとんどの人には妊娠も気づかれない3か月検診の時。
ふいに別れはやってきた。
「あ、赤ちゃん、、、昨日心臓が止まったみたい…」
検診のエコー画像を見て産婦人科の先生が話した。
昨日?止まったみたい?なにそれ。

3か月目の流産だった。確かに、二人目までひどかったつわりがあまり来ないな、と感じていた。
でもそんな急に心臓が止まるなんて思ってもいなかった。

私がどこかで「まいったな」と思ってしまったのが伝わったのかな。
瞬間、頭をよぎった。しまった…私の気持ちが赤ちゃんのエネルギーを奪ったんだ…

検査室には娘もいた。
一緒に泣いた。赤ちゃんどこに行っただろうね。
娘は
「赤ちゃんはまた生まれるために準備してるから大丈夫」
と。

深い悲しみを抱えた中で受けたコーチング。
マイコーチに言われた。
「ゆかちゃん、どうしたい?」
私は感じていた。自分の心の中に、この子がいて、「お母さん、やったらいいよ、やりたいこと」をこづいてくるのを。
そうか、やったらいいんだ。やりたいことをやるための時間がこの子によって与えられているんだ。

プロコーチとしてもう一度スタート地点に立とう。
コーチングを通して人生をサポートしよう。

あなた、生まれてきたんですよ。
命を精一杯使い倒していいんですよ。
大丈夫、あなたなら。

私はそう言いたい。コーチングを通して、人生を輝かせたい。
そうすることで私は地に足をつけて精一杯自分を使っている、活かしている実感を持てる。
そういう大地に根差した生き方をしたい。

2016年の6月。
私はライフサポートコーチ、としてプロとしての歩みをReスタートさせた。

「コーチングを届けたい人、その内容」、に続く。>>